農村女性フェスティバルに参加して

 農業農村を元気付けるため道内各地で活躍している農村女性達が一同に会した。志を同じくする多くの仲間として集まった場所は札幌のかでる2・7。
農業経営のパートナーでもある私達農家の主婦が互いに励まし合い、潤いとゆとりある農業経営めざし、それぞれの取り組み状況や悩み、抱負等の情報交流が目的だ。
 総勢640名のうち早来町からは私を含めて5名が参加した。2日間にわたった農村生活活動事例発表会では、早来町の農家の主婦6名で構成される「ポプリの会」も発表した。「ポプリの会」は、自分たちで作った大豆を利用した豆腐作りを何年も前から続けており、その本物の豆腐の味を子供たちに、また町内の福祉施設を利用する老人たちにも昔懐かしい味を届けたいと、彼等の笑顔を張り合いにボランティアに励んでいる。
 元々は、食品加工の技術を習得し、将来的にはは販売の可能性も模索する目的で昭和63年に結成された会だったが、今は、こだわり栽培の生産物の手作り加工を通じた仲間の輪が一番大きな成果だったと発表したのは私を誘ってくれたTさん。
 発表はこのほか、「ゆとりと健康をめざす農業労働」「ゆとりある農業経営を目指して」「快適な農村環境づくり」等のテーマで様々な活動が紹介され活発な意見交流もかわされた。 初めて参加した私は、感動やら驚きばかり。私が日頃こうありたいと描いていた理想的な暮らしをすでに、実現している人もたくさんいるのだ。
 この大会は、準備の段階からほとんどが女性の力によって運営された事でもわかるように、農村で働いている私達女性の自立や地位の確立も時代とともに着実に進んでいるという事も実感できた。ただし、その陰に、ご主人たちの理解と協力があった事は言うまでもない。


苫小牧民報 1996年(平成8年)2月17日(土曜日)掲載


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