甘ぁーいひととき

   八月の下旬から始まった花の出荷もピークを過ぎ終盤に入った。主人も稲刈りを終えひと段落。というわけで「晴耕雨読」の存在しないハウス農家の我家は、ある日突然宣言する。「今日は休みだぁー!」仕事に追われながらも思いきって休みの日を作る。
 これは、自営の仕事ならではの贅沢かな?でも心の健康のためにはとても大切な事なのかもしれない。忙しい現代人には、ストレスがつきもの。そこで私のストレス解消方、例えば、ショッピング、映画鑑賞、食べること…色々あるなかで、今回は、食欲の秋にふさわしく、友人二人とケーキ食べ放題に挑戦。これは苫小牧市内某ホテルのレストランの企画。
 会場に着いてまず圧倒されたのが、あたりまえかもしれないが、女性の多いこと、それも、高校生から私も含めておばさま族まで。セルフサービスで自分の好きな物を選んで取れる、いわゆるバイキング形式、飲み物はコーヒーまたは、紅茶。これもおかわり自由。
 それぞれに、おいしそうにいただいている。私たちもさっそくおさらに1個2個3個…。パイ、ムース、ショコラ、シュークリーム、にアイスケーキ、その種類の多さに、目移りするくらい。でもさすがに全部の種類は食べ切れないので、同伴の友人達と少しづつ味見し合う。極楽気分も30分ほど、気が付くと会話も減って黙々と食べている。そんなときに口直しのピザが運んで来られそれはおいしかったこと。帰りの車のなかでも、一番おいしかったのは「ピザ」で3人の意見は一致した。ピザで立ち直った私は、ぼんやりとした頭のなかで、次回のゆのみのタイトルは「ダイエット」にしようかなと考えながら8個目のケーキにフォークを延ばしていた。


苫小牧民報 1995年(平成7年)10月21日(土曜日)掲載


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